News Picks を日経新聞の代用として考える

2024-02-06雑記

はじめに

日本経済新聞 (以降、日経新聞) といえば、ビジネスマン御用達、社会人であれば購読することが望ましいと常々言われてきた新聞です。一方で、その購読料は安い電子版でも 4277 円 / 月(税込)。人によっては携帯代よりも重い出費になります。電子版には無料プランもあるのですが、当然朝刊・夕刊は目次すら読むことが叶わず、電子版独自の無料記事は読み放題ですが、有料記事は月 10 本までです。

日経新聞電子版 トップページ

そんな中、新聞代をなんとかできないかと探して見つけたのが News Picks です。政治・経済・テクノロジーに注力したキュレーションサイトで、日経読者のような(偏見)、「番組表もバライティーもいらん」という方にはありがたい仕様となっています。こちらも有料プランがあり、News Picks 独自の記事を読むことができます。お値段も1534 円 / 月(税込・年間契約)と日経新聞に比べると明らかに安い。

New Picks トップページ

しかし、実際に News Picks を試してみると、日経新聞と競合するものではないということがわかりました。そのため、結論としては日経新聞を代替できないというものになりました。以下では、その詳細について示していきます。

提供される情報種の違い

日経新聞と News Picks の最大の違いは、提供される情報の種類です。各自が持つ独自情報で比較すると、

・日経新聞は世の中の出来事の動向をその都度知らせてくれるもの。

・News Picks は世の中の出来事をまとめて知らせてくれるもの。

という違いがあります。もちろん、上記は全てがということではありません。日経新聞にも、大きな話題についてはまとまった記事が掲載されることがありますし、後述する News Picks のキュレーション部には速報性のあるニュースが掲載されることがあります。

これらに求める情報が「最近起きた事実」なのか、「まとまった解説」なのかを整理しておくと、どちらを購読すれば良いか参考になると思います。筆者の場合は前者を求めていましたため、どちらかと言えば日経新聞が向いていました。(後者は本の領分と考えています。)

扱う情報の独自性と記事検索

日経新聞の大きな特徴の 1 つが、扱う情報が全て独自のものであるという点です。新聞が高い理由はここなんじゃないのか?と思ったりするわけですが、それが利点を生み出しています。それが、記事検索です。

日経新聞電子版では過去の記事を検索することができるのですが、電子版が開設されてから掲載された 全ての記事 を対象に検索することができます。ただし、朝刊・夕刊は過去 3 ヶ月(無料版は 1 週間)です。New Picks も同様に 10 年以上前の過去記事を検索することはできます。しかし、閲覧できるかどうかは別です

「Panasonic の液晶パネル生産撤退」という記事を対象にしてみます。以下は日経新聞の記事(2019/11/21)です。

同様に News Picks で検索しますと、上の日経新聞の記事のほかに、ITMedia NEWS や産経新聞、共同通信などの記事が出てきます。しかし、共同通信の記事は NOT FOUND と閲覧することができませんでした。これは、News Picks オリジナルの記事を除く大半の記事が、他の情報サイトが提供しているものであるためです。

News Picks の検索結果。マルは閲覧可、バツは閲覧不可

これはつまり、過去になればなるほど、記事が削除されて閲覧できる数が減っていくことを意味しています。極端な例ですが、2010 年の 1 年間で、この年内閣総理大臣に就任した「菅直人」をキーワードに検索すると、日経新聞が 4576 件の記事がヒットするのに対して、News Picks では DIAMOND online の記事 5 件のみでした。

New Picks の開設が 2015 年なので不適切な比較である、という意見もあると思います。開設後の 2016 年の 1 年間、かの元アメリカ大統領「ドナルド・トランプ」をキーワードに検索すると、確かに News Picks では総記事数が数えられないほどの記事がヒットします。しかし、News Picks 独自の記事は 13 件しかありません。2021 年 10 月までの累積でも 70 件程度です。今後 10 年 20 年後を考えた時、News Picks は新聞の切り抜きのように、データベースとして活用することが難しいことがわかります。

情報収集のやりやすさ

上述の通り、日経新聞は 10 年以上前の記事をまとめて検索することができます。一方で、情報を収集するという観点から考えると News Picks の方が優れていると思います。それは、様々な情報サイトの情報をまとめて収集することができるためです。

日経新聞は情報源として信用できるものとは思いますが、それでも報道の個性が出てしまうもの。知らないうちに読んでいる新聞の主義・主張に染まってしまうなんてことがあるわけです。そのため、複数の新聞を購読することがベストと言われるわけですが、金額的に厳しいもの。News Picks では無料記事には限定されるものの、多数の情報元が掲載している記事を同時に調べることができます。

同様なことは Yahoo! ニュース でもできますが、Yahoo! ニュースでは数分おきに新しい記事が増えていくため、News Picks に比べて圧倒的にノイズが多い印象です。政治・経済・テクノロジーといった分野なら News Picks が調べやすいです。

News Picks の有料記事について

News Picks の有料記事のタイトルが個人的に気になりましたので、その点について少しお話します。

まずは、以下に示す News Picks オリジナル記事のタイトルをご覧ください。

日経新聞に比べると明らかにキャッチーなタイトルになっています。どこかで見たような、、と思いましたら、東洋経済オンラインでした。佐々木 紀彦 氏が手がけたという点でもともと近しいのですが、記事のタイトルの付け方もそっくりでした。

東洋経済オンラインのトップページ

こういった記事は雑学的に参考になることも多いのですが、新聞などで複雑に書かれているような内容があまりにも明快に書かれているため、むしろ胡散くささがあるんですよね。そんなに単純なはずないでしょ、というように。これらの記事にお金を払う気にはなれませんでした。

どう使い分けるか

新聞から得られる情報は「今何が起きていて何が重要視されているのか」だと思います。News Picks はこれらをより深く知るためには活用できると思いますが、新聞そのものは代替できません。そこで、新聞とは別に News Picks 無料版で新聞に掲載されていた気になる記事を再検索するというやり方を採用しました。特にテクノロジー系は News Picks が圧倒的に詳しい。ちなみに、自動車・鉄道系は東洋経済オンラインがオススメです。

(おまけ) 楽天証券 日経テレコムの利用

以上で News Picks の使い方はまとまったわけですが、つまるところ、何かしら新聞に類するものを購読する必要は残るわけでして、ついでに楽天証券の日経テレコムを試してみることにしました。

これは、楽天証券のサービスの 1 つとして日経テレコムの簡易版が付いており、日経新聞の朝刊・夕刊が無料で読めるというもの。ただし、読めるのは直近 3 日分です。ちなみに、日経電子版では読めない日経産業新聞や日経 MJ も読むことができます(これらに掲載の記事の一部は日経電子版に転載されているので、日経新聞でも読むことができます。)。

しかしながら、使い勝手はとても良いとは言えませんでした。日経新聞の電子版では、大きな記事の見出しには必ずカラーの写真や図が付随するのですが、楽天証券の日経テレコムにはこれがありません。(本当はスクリーンショットで説明したいのですが、転載禁止なのでご了承ください。)

筆者は通勤電車の乗車時間中に朝刊を一通り確認するのを日課にしているのですが、その 5-10 分で簡単に目を通して理解するにはこれらの絵や図が大変役に立っていたことがわかりました。一応紙面の PDF 版も見れるのですが記事ごとにクリックが必要で手間が多いのが欠点。理解度は数段低下したように思います。

とはいえ、月々 4200 円浮いたのは大変大きい。理解度が落ちたことが気になるなら、月 1 冊気になった話題の専門本を買っても良いですし、楽天マガジンのような雑誌の読み放題読サービスで経済誌を読むのも良いかもしれません。まずはこれで試してみます。

ベストは高くても新聞を購読、これは変わりませんでした。

雑記

Posted by はるかみ